『備忘録』だとか、『日記』だとか。

日々のあれこれを記録する自己満足日記帳

『文章』とか、『批評』とか。

関東も梅雨入りして、ここしばらくは雨模様が続くようだ。ようやっと六月らしくなってきた。

雨は好きだ。外を歩いていても、道行く人はみな傘をさしながら、雨空を憂いた表情で見上げている。あるいは水たまりに注意して足元ばかり見ていたり、あるいは荷物が出来るだけ濡れないように足早に歩いていたり、みんな自分のことで精一杯。雨の日は、誰も彼もが、しかし他の誰も彼もに無関心だ。そんな空気感が、少し心地よかったりして。

ただ、洗濯物のこととかを考えると、やっぱりちょっと憂鬱だけど。

 

昨日今日と、ゼミの合宿に参加してきた。

今年から大学で新しく創作評論のゼミに入り、少しずつ作品を提出しては批評、添削指導を受けている。自分の書いた文章を通して教授やゼミの仲間の意見を得られるのは、非常に新鮮で勉強になる。

今回の合宿では、OB・OGの方々も交えて多くの作品の批評会を行った。小説、SF、童話、短歌。各々の書いてきた作品をそれぞれ読んで、感想や意見を出し合う。賞賛もあれば、ダメ出しもある。ふわっと感想を述べる人もいれば、歯に衣着せず意見を述べる人もいる。なかなか刺激的な二日間だった。

しかし、誰かの作品に対する、他の誰かの批評を聞くのはなかなか面白い。元々自分以外の人間によって書かれた文章というのは、当然だが自分自身の価値基準とは異なる基準によって綴られている。それをさらに別の価値基準を持った人間が解釈するのだから、その批評は私の価値基準とは大きくズレたものになるわけで。違う視点からの、思いもよらない意見。けれど、決して的外れというわけではなく、むしろ自分以上に何か核心をついていることだってある。

自分とは違う、けれど聞けば確かに納得できる意見というのは、自分の中の考え方を豊かに、柔軟にしてくれる。それがなんだか新鮮で、面白い。今回の合宿はそういう意味で、非常に良い経験になったように思う。

しかしやっぱり、そうは言っても文章力は書かなければ身につかない。今回のゼミ合宿では、直前に体調を崩していたことなどもあって自分の作品を提出することが出来なかった。普段関わりのない人からも意見をもらえる良い機会だったのに、勿体無いことをした。

自分は凡才で、なんの取り柄もないのだから、その分なりふり構わず、もがき続けなければダメだ。もっとたくさんの文章に触れ、たくさんの文章を書く訓練をして、力をつけていかなければ。

いろんな人が頑張っている。自分も、負けてはいられない。

 

書き続ける。積み上げる。まずは、そこからだ。

 

2019.06.08 都内某所にて